a) 操だ(舵)回転部には,きしみ,当たりなどの不円滑及び著しいがたつきがあってはならない。
b) サドルを最後方位置にし,適応乗員体重1) の±5 kgの乗員がその最後方部に座乗して,両手でハンド
ルグリップ部をつかんだときに,自転車及び乗員の合計質量の25 %以上が前車輪にかからなければならない。
c) サドル最大高さとなるよう固定したサドルに乗員が座乗して,最小目盛値が1°以下の角度測定器によって左右の操だ(舵)角度を測定したとき,操だ(舵)角度は左右それぞれ60°以上でなければな
らない。
a) 自転車には,JIS C 9502の性能をもつ前照灯を備えなければならない。
b) 自転車に尾灯を装備するものにあっては,尾灯の性能はJIS C 9502による。
c) 電気コードを使用した自転車は,鋭い縁との接触による損傷を避ける位置に配線しなければならない。また,電気コードの接続部は,各方向に対し10 Nの引張力に耐えなければならない。
a) シートポストには,フレームとの最小はめ合い長さを表す,はめ合せ限界標識を付けなければならない。はめ合せ限界標識は,ポスト径以上の長さの容易に消えない方法で表示する。円形断面の場合,シートポストの下端からポスト径の2倍以上の位置にあり,断面が円形でない場合は,シートポストの下端(断面が最大になる箇所)から65 mm以上の位置になければならない。
b) a)に規定した最小はめ合い長さが確保できる構造(例えば,フレームからの引き抜きを防止できる止め具が組み込まれ,かつ,意図せずに抜けない構造)でなければならない。
ペダル踏面
a) トウクリップなどを用いないペダルは,踏面が上下両面にあるか,又は踏面が自動的に上面になる構造(片面式ペダルという。)でなければならない。
b) 踏面は,ペダルと一体になっているか,又はペダル体に確実に組み込まれていなければならない。
c) 足固定装置付きペダル(ビンディングペダル,トウクリップなど)には,踏面がなくてもよい。
d) 回転は円滑でなければならない。
ペダルクリアランス
a) ペダル接地角 ペダル接地角は,25°(子供車では23°)以上でなければならない。
ただし,サスペンション機構を装備している自転車は,サスペンションを最も軟らかくなるよう調整し,80 kg(子供車は40 kg)の乗員が乗車した状態で測定する。
b) トウクリアランス 自転車は,ペダルと前タイヤ又はどろよけとの間に下表の値以上のトウクリアランスがなければならない。
このトウクリアランスは,いずれか一方のペダルの中心から前タイヤ又はどろよけが描く弧のいずれかクリアランスが最小となる弧までを,自転車の基準中心面と平行で前方向に測定する。
スポーティ車,シティ車,小径車,実用車
幼児車
足固定装置がないもの
100
89
足固定装置があるもの
89
89
トウクリアランス 単位:mm
ハンドル
自転車のハンドルは,ハンドルバーとハンドルステム(一体形のものを含む。)とによって構成され,次による。
a) ハンドル(グリップなどを含む。)の全幅は,350 mm以上600 mm以下とする。
b) ハンドルステムは,ホークステムへの安全なはめ合い長さを確保するため,次の1)又は2)による。
1) ハンドルステムのホークステムへの最小はめ合い長さを表す,はめ合せ限界標識を付けなければならない。はめ合せ限界標識は,ステム径以上の長さの容易に消えない方法で表示し,ハンドルステムの下端からステム径の2.5倍以上の位置で,かつ,ステムの完全円周部の下端からステム径以上の長さがなければならない。
2) 1)に規定した最小はめ合い長さが確保できる構造(例えば,ホークステムからの引き抜きを防止できる止め具が組み込まれ,かつ,意図せずに抜けない構造)でなければならない。
c) ハンドルステムは,そのはめ合せ限界標識がヘッド部品の一番上を越えない高さとなるように,ホークステムに固定しなければならない。
d) ハンドルをはめ合せ限界標識まで引き上げ,サドルを製造業者が指定するサドル最小高さまで下げたときに,グリップの最上部からサドル座面がシートポスト軸と交差する点までの垂直距離は,400 mmを超えてはならない。
e) ハンドルバーの両端は,グリップ,エンドキャップなどで覆わなければならない。また,グリップ,エンドキャップなどは,低温試験及び温水試験を行ったとき,離脱力に耐えなければならない。
f)ハンドルステムの取付け部上端とホークステム延長部分が取り付けられているホークステムの上端との距離gが5 mm以下で,かつ,操だ(舵)装置が適正に調整できなければならない。また,ホークステム延長部分がクランプされているホークステムの上部は,ねじを切ってはならない。
アルミ製及び繊維強化樹脂製ホークステムについては,ホークステムの内側面をきずつけるおそれのある内部装置(例えば,アンカーナット)は,避けることが望ましい。
自転車のハブ,フレームへのシートポストの固定,及び折り畳み機構に使用するクイックレリーズ装置は,次の一般的操作方式のものでなければならない。
a) クイックレリーズ装置は,調節可能で,締付け条件が決定できなければならない。
b) 形状及び表示によって,装置が解除又は固定のいずれの位置にあるかを,明確に識別できなければならない。
c) カムレバーで調節するものは,正しく調節したレバーの先端から5mmの所要固定操作力が200 Nを超えてはならない。この操作力を加えたとき,クイックレリーズ装置に永久変形がないものとする。
d) 固定位置からの締付け解除操作力が50 Nを下回ってはならない。
e) カムレバー操作のものでは,250 N以上の力で完全に閉じないように調節しておいて,その大きさの締付け操作力に耐え,破損又は永久変形があってはならない。
a) チェーン 推進力の伝達手段としてチェーン駆動を使用している場合,チェーンは著しいたるみ又は張りすぎがなく,作動が円滑でなければならない。必要に応じて,後ハブ軸部にチェーン引きを取り付ける。
b) 歯付きベルト 推進力の伝達手段としてベルト駆動を使用している場合,歯付きベルトは拘束されることなく前後プーリ上で動作しなければならない。
シートポストのはめ合せ限界標識
a) シートポストには,フレームとの最小はめ合い長さを表す,はめ合せ限界標識を付けなければならない。はめ合せ限界標識は,ポスト径以上の長さの容易に消えない方法で表示する。円形断面の場合,シートポストの下端からポスト径の2倍以上の位置にあり,断面が円形でない場合は,シートポストの下端(断面が最大になる箇所)から65 mm以上の位置になければならない。
b) a)に規定した最小はめ合い長さが確保できる構造(例えば,フレームからの引き抜きを防止できる止め具が組み込まれ,かつ,意図せずに抜けない構造)でなければならない。
回転中の車輪の保護
a) ブレーキワイヤが切断したときに,制動装置機構のどの部分も車輪の回転を急激に妨げることがあってはならない。
b) 自転車にディレーラを装備するものにあっては,ディレーラの破損,調整不良などによってチェーンが脱落しても,車輪の回転が妨げられないように,スポークプロテクタなどを装備し,防護しなければならない。
自転車に錠を装備するものにあっては,施錠及び開錠が円滑でなければならない。
a) 鍵付き錠は,鍵によってシリンダを回転又はシリンダを移動させて開錠する構造で,専用の鍵以外のもので容易に開錠してはならない。
b) 箱形錠を取り付けた自転車は,回り止め及びずり落ち防止装置を施さなければならない。なお,箱形錠は,他の錠と併用して使用し,単独では用いない。
リヤキャリヤに関する表示
シティ車には,リヤキャリヤ,どろよけ又はフレーム本体の見やすい箇所に,シールなどで次の事項を表示する。
a) リヤキャリヤが取り付けられている自転車で,幼児用座席を取り付けることができるものには,幼児用座席の質量とその幼児用座席が指定する最大適用体重との合計質量(最大積載質量)を分かりやすく表示する。幼児用座席を取り付けることができないものには,その旨を表示する。
b) リヤキャリヤが取り付けられていない自転車には,取り付けることができるリヤキャリヤの質量別クラスを表示する。